INSPECTAH DECK

Inspectah-Deck-The-Champion

Inspectah Deck(インスペクター・デック)
本名:Jason Hunter (ジェイソン・ハンター)
生年月日:1970年7月6日(44歳)

ニューヨーク・ブロンクス区出身のラッパー、プロデューサー、Wu-Tang Clan(ウータン・クラン)の一員。ソロシンガーとしてはWu-TangメンバーのMethod Man(メソッド・マン)のような成功を収めていないが、数々のグループの曲での複雑な韻を踏むヴァースが高く評価されている。自身の力でプロデューサーにまでなり、仲間や自身のプロジェクトに曲を提供している。

Early career
スタテン・アイランドのクリフトンにあるパークヒルプロジェクト(低所得者用公営住宅団地)で生まれ、のちのMethod ManやRaekwon(レイクウォン)、Ghostface Killah(ゴーストフェイス・キラ)らと共に学校に通う。家庭は音楽一家で、6歳のときに父親を亡くし、それ以来家庭を守る母親の姿を見て育つ。彼の冷静で落ち着いたメンタリティーは当時の環境が影響したものである。ステージネームを決める際、Method ManやOl’ Dirty Bastard(オール・ダーティー・バスタード)、RZA(リッザ)らとは別のイメージのものを考えていたため、自身の冷静沈着な性格をそのままスタージネームとして使うことにした。Method ManはDeckについて、Wu-Tangのデビューアルバム『 Enter the Wu-Tang(36Chambers)』の「Can it Be All So Simple?」の最後でこう語っている。

「Inspectah Deck、あいつは人が馬鹿やっているのを悠々と眺めているような奴だろ?それだけで噓を見破って相手がお手上げになったら裁判までもっていくのさ。まるで『インスペクター(inspector=調査員、検査員)』みたいに」

 

あまり目立たない控えめな一面とは別に、アルバムで2番目に大きくフューチャーされるほどの強い存在感を見せる。また「C.R.E.A.M.」や「Protect Ya Neck」、「Wu-Tang Clan Ain’t Nuthing ta Fuck Wit」、「Da Mystery of Chessboxin’」などのシングルでは素晴らしいパフォーマンスをしている。それ以降、Method Manの「Tical」(1994)、Raekwonの「Only Built 4 Cuban Linx…」(1995)、GZA(ジザ)の「Liquid Swords」(1995)、Ghostface Killahの「Ironman」(1996)など、Wu-Tangメンバーのソロプロジェクトに出演する。

Wu-Tangの2ndアルバム『Wu-Tang Forever』(1997)では「Visionz」のプロデュースを手掛け、ソロ曲「The City」も収録されている。さらにグループのヒットシングルの一つである「Triumph」でのヴァースが大絶賛された。

Method Manの『Tical 2000: Judgement Day』(1998)に収録されている「Elements」、「 Spazzola」、RZA(リッザ)の『RZA as Bobby Digital in Stereo』(1998)に収録されている「Kiss of a Black Window」 、GZAの『Beneath the Surface』(1999) のタイトルトラックなど、何人かのWu-Tangメンバーへ楽曲提供もしている。

 

Solo career
デビューアルバム『Uncontrolled Substance』は本来ならば1997年後半にリリースされる予定だったが、 プロデューサーであるRZAのスタジオが洪水の被害に合い、アルバム制作のための曲が台無しになってしまったことで発売延期になった。

1999年9月、『Uncontrolled Substance』リリース。アルバムではより多くの自身の曲をフューチャーし、知名度の低いアーティストも何人か出演させている。アルバムは一般的に好評価を得たが、それ以前にあったWu-Tangのソロプロジェクトには参加することができなかった。アルバムをリリースして間もなく、Wu-Tangの活動に戻り、アルバム『The W』(2000)と 『Iron Flag』(2001)の制作に携わった。

2003年、2ndアルバム『The Movement』(のちに自分の思い通りの作品ではなかったと語る)をリリース。さらに2006年には『The Resident Patient』をリリースする。

2007年、アルバム『8 Diagrams』制作のためWu-Tang Clanと再集結するが、RZAの制作方法に納得がいかず、 Raekwon、Ghostface Killahとともに 不満をあげ、Ghostのアルバム『The Big Doe Rehab』を支持した。この不和について、Deckはインタビューで次のように語った。

「Ghostのアルバムみたいな、斬新でより良いアルバムをつくらなければいけない気がする。あのアルバムが完璧と言っているわけではないよ。ただ、彼のアルバムのサウンドが本来ならWu-Tangがつくるべきもののように思えるんだ。」

 

そしてこの時期ふたつのプロジェクトを公表する。ひとつは伝説的なDJ Premier(プレミア)をフューチャーした、ボストンの7L & Esotericとのコラボレーションアルバム『Czarface』。もうひとつはRZAとWu-Elements(プロダクションチーム)を起用したソロアルバム『The Rebellion』である。

2010年3月、3rdアルバム『Manifesto』をリリース。Raekwon、Cormega(コルメガ)、Termanology(タマノロジー)、Planet Asia(プラネット・アジア)、Cappadonna(カッパドーナ)、Kurupt(クルプト)らをフューチャーした。2008年にミックステープ『The Resident Patient 2』のオリジナル音源や他のアーティストのフリースタイルがインターネットにリークされていたことについて、Deckはインタビューで 、『Manifesto』はもともと『Resident Patient 2』の続編として発表するはずだったと話している。

2010年、『Czarface』と『The Rebellion』の制作を始め、Wu-TangやSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)、E-40、Nas(ナズ)、Jadakiss(ジェイダキス)との共演への興味を示した。コンスピラシーラジオでのインタビューでは、もしファンが『The Manifesto』と『The Rebellion』に支持しなかったらもうソロアルバムを制作しないと話し、自身が手掛けているインストアルバム『The Bodyrok Volume 1』についても触れた。

2013年2月、HipHopDXでのインタビューでAgallah(アガラー)と共同制作している新しいアルバムについて話した。また、Twitterでファイナルアルバムのタイトルについて、『Rebellion』ではなく『Uncontrolled Substance 2』に変更したことを発表した。ちなみにアルバムの大部分はRZAがプロデュースすることになっている。

 

オフィシャルホームページ(英語):http://inspectahdeckwu.com/

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