Raekwon（レイクウォン）
本名：Corey Woods
生年月日：1970 年1月12日（44歳）

Mafioso（マフィオーソ）ラップのパイオニアの1人とも言われる、Wu-Tang Clan（ウータン・クラン）のメンバーRaekwon（レイクウォン）。1995年に『Only Built 4 Cuban Linx…』でソロデビューし、以来Wu-Tangの活動の傍ら数々のソロアルバムを発表、また多くのヒップホップアーティストの作品に参加している。レコードレーベルICEH20の設立者でもある。

2007年にはAbout.comのエディターによりTop 50 MCs of Our Time (1987–2007)（1987～2007年のトップMC50人）の1人に選出されている。

Music career

Wu-Tang Clan
1992年にニューヨークのスタテンアイランドをベースとした9人組のヒップホップグループ、Wu-Tang Clanに加入。ステージネームをRaekwon the Chef（レイクウォン・ザ・シェフ）、Shallah Raekwon（シャラー・レイクウォン）、Lex Diamonds（レックス・ダイアモンズ）などと変えながら最終的にRaekwonに落ち着く。

翌1993年にWu-Tang Clanが『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』で衝撃的なデビューを果たし、1997年にリリースした『Wu-Tang Forever』は4タイムス・プラチナを獲得。その後も2000年の『The W』、2001年の『Iron Flag』、2007年の『8 Diagrams』などをリリース。

Only Built 4 Cuban Linx…

1994年にヒップホップレーベルLoud Records（ラウド・レコーズ）とソロ契約を結び、同年公開された映画『Fresh』のサウンドトラックに収録されたシングル「Heaven & Hell」でソロデビューを果たす。翌1995年にリリースしたソロアルバム『Only Built 4 Cuban Linx…』は大絶賛されるもセールス面では同じWu-TangのメンバーMethodman（メソッドマン）のソロデビューアルバム『Tical』には及ばなかった。この作品では、半分以上のトラックにWu-TangのメンバーGhostface Killah（ゴーストフェイス・キラ）がゲスト参加し、RZAがエグゼクティブプロデューサーとして参加している。

Immobilarity and The Lex Diamond Story

1997年にはR&BグループAllure（アリューア）のセルフタイトル・デビューアルバムに参加。その後もFat Joe （ファット・ジョー）の1998年のシングル「John Blaze」にNas（ナズ）、Jadakiss（ジェイダキス）、Big Pun（ビッグ・パン）らとともに参加した。

1999年11月にはMethodman、Masta Killa（マスタ・キラ）らをフィーチャーしたセカンドアルバム『Immobilarity』をリリース。2003年12月には再びGhostface Killah、Methodman、Masta Killa、Inspectah Deck、Cappadonna（カパドナ）らWu-Tang Clanのオフィシャル／非オフィシャルメンバーらが参加した3rdアルバム『The Lex Diamond Story』をUniversal Records（ユニバーサル・レコーズ）からリリースした。

Only Built 4 Cuban Linx… Pt. II

デビューアルバムの続編として2007年にAftermath Entertainment（アフターマス・エンターテイメント）からの発売を予定されていた『Only Built 4 Cuban Linx… Pt. II』だが、その後何度かの発売日変更を経てディストリビューションをEMIが担当し、自身のレーベルICEH2Oから2009年9月にリリース。これまでと同様Wu-Tangのメンバーに加えJadakiss、Slick Rick（スリック・リック）、Busta Rhymes（バスタ・ライムス）、Beanie Sigel（ビーニー・シーゲル）らをフィーチャーしている。同月、MTVによりHottest MCの10位に選ばれ、12月にはメジャーなヒップホップサイトHipHopDxにより『Only Built 4 Cuban Linx… Pt. II』がAlbum of the Yearに選出され、Emcee of the Yearにも選ばれた。また同年にはイスラム教へ改宗している。

「Raekwonがリリカルで最高のラップへ回帰。ティーンネイジャー、20代、30代、それ以上の世代にも訴えかけるアルバムをリリースした。15年前にリリースした『Only Built 4 Cuban Linx…』の価値を落とさないよう妥協を許さず、新たにエッジーなヒップホップアルバムをクリエイトしている。それだけじゃない。彼のキャリアにおいてPlayaz Circle（プレイヤズ・サークル）からJadakiss、BK One（BKワン）まで、多くのラッパーたちがアルバムを作る時の頼りになる存在となっている。それだけでも現実を超えているのに、この1年、彼はアリーナからクラブ、教会に至るまで多様な場所でライブを行った。儀式（ライブ）を極めることに関して、彼には既に多くの信者がついているのだ」（HipHopDx）

Shaolin vs. Wu-Tang

2010年3月にはMethodman、Ghostface KillahとともにDef Jam Recordings（デフジャム・レコーディングス）からコラボレーションアルバム『Wu-Massacre』をリリース。その後Wu-Tangの2007年のアルバム『8 Diagrams』でのRZAとのサウンドに対する確執のためRZAなしで制作することになっていたWu-Tangの『Shaolin vs. Wu-Tang』を自身の5thソロアルバムとして2011年3月にリリース。予定通りRZAの参加はなかったものの、他のWu-Tangのメンバーに加え、Nas、Black Thought（ブラック・ソート）、Rick Ross（リック・ロス）らが参加した。同じ頃『Only Built 4 Cuban Linx…』の3作目のリリースも考えていることを発表している。

またICEH2Oでは、自身のソロプロジェクトに加え、アンダーグラウンドのアーティストたちの発掘にも力を入れている。また息子もレーベルに加わるとの噂もある。

Lost Jewlry & Fly International Luxurious Art

2012年、レコードレーベルIce H2O Records（アイスH2Oレコーズ）をスタート。同年11月にはmixtape『Lost Jewlry』のリリースを発表し、翌12月にシングル「Never Can Say Goodbye」をリリースした。Scram Jones（スクラム・ジョーンズ）らをプロデューサーに迎え、Maino（メイノー）、Freddie Gibbs（フレディ・ギブス）らをフィーチャーした『Lost Jewlry』は2013年1月にリリースされた。

2014年9月には6thアルバム『F.I.L.A.（Fly International Luxurious Art）』のリリースを予定しており、2013年8月にはこのアルバムに収録される予定のEstelle（エステル）をフィーチャーしたシングル「All About You」を、12月にはMelanie Fiona（メラニー・フィオナ）をフィーチャーした「Soundboy Kill It」をリリースしている。カナダの『Now』マガジンでのインタビューでは「『F.I.L.A.』はハードコアなMCによるハードコアなラップアルバムではなく、ロンドンにいる人もドイツにいる人も、誰もが好きになるようなアルバムにしたいと思っている。ラジオからハードコアなMCまで、誰もが聴けるようなサウンドにしたい」と語っている。

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